卵子の質が低下する原因
医学研究によると、加齢に伴い女性の卵巣機能や卵子の質は徐々に低下し、卵子が受精しにくくなるほか、胚の染色体異常の発生率も増加するとされています。また、胎児に先天性異常や低出生体重が見られるリスクも高まることが報告されています。
最近では、老化に関連したさまざまな疾患が注目されており、不妊症もその一例です。加齢により最も顕著に現れる変化の一つは、卵母細胞(卵子)の質の低下です。
現在は、精子の運動能力に問題があった場合でも、精子核を卵細胞質に直接顕微注入する方法で受精を成功させる技術があります。しかし受精後、胚が安定して胚盤胞まで成長するか、そして着床→妊娠継続へとつながるかは、卵子の質が影響します。
卵子の質が低下する原因は多岐にわたりますが、主な要因は以下の通りです。
1.年齢
年齢が増すにつれて、女性の卵巣機能は徐々に低下し、卵子の質も悪化します。
特に35歳以上の女性では、卵子の質の低下が顕著になります。
2.環境要因
長期間にわたって汚染物質、化学物質、放射線などの環境要因にさらされることは、卵子の発育に悪影響を与える可能性があります。
3.生活習慣
喫煙、過度な飲酒、運動不足、不規則な食生活などの不健康な生活習慣は、卵子の質を低下させる原因となります。
4.内分泌の乱れ
多嚢胞性卵巣症候群などの内分泌の病気は、卵子の成熟や排卵に影響を与えることがあります。
5.活性酸化が過剰
体内の活性酸素が過剰に生成されると、細胞に損傷を与え、卵子の質に悪影響を及ぼすことがあります。
6.栄養バランスの崩れ
BMI値が低すぎる(痩せすぎ)、高すぎる(太りすぎ)、偏った食生活、菜食主義などは栄養不足や栄養過多となり、卵子の質の低下を招く要因のひとつとなります。
※Body Mass Index:ボディマス指数と呼ばれ、体重と身長から算出される肥満度を表す体格指数
卵子の質は改善できるか?
卵子の質は加齢による老化だけでなく、日々の生活習慣や環境に大きく影響を受けます。毎日の生活の中で積極的に良い習慣を取り入れることで、卵子の質の改善が期待できます。
1.健康的な食事:
抗酸化物質が豊富な栄養素(ビタミンA、C、E)に含む食材を摂取することで、活性酸素の産生や作用を抑えます。
・ビタミンA:レバー、うなぎ、アナゴ、卵黄、緑黄色野菜など。
・ビタミンC:野菜と果物(特にアセロラ、柿、パプリカ、ピーマン、ブロッコリーなど)
・ビタミンE:植物油、アーモンド、ヘーゼルナッツ、落花生などに多く含まれます。
これに加えて、適度な脂質やタンパク質の摂取も重要な栄養源で、例えば亜麻仁油や青魚(イワシ、サンマ、サバ、アジなど)はn-3系脂肪酸のDHAとEPAが豊富です。n-3系脂肪酸は、魚を食べないとほとんど摂れない栄養素です。
2.適度な運動:
子宮や卵巣への血流が十分に行き渡ることは、健康な卵子を育むために必要です。ウォーキングやストレッチ、軽い筋トレなどの運動がおすすめです。逆に過度な運動は、活性酸素の産生を促し、酸化ストレスを引き起こす要因となります。
3.ビタミン補給:
ビタミンD、E、Cなどの特定のビタミンや、亜鉛やセレンなどのミネラルは卵子の質に良い影響を与えることが示されており、適量の補給が卵子の質の改善に期待ができます。
4.ストレス管理とメンタルヘルス:
精神的なストレスは、内分泌に影響を与え卵子の質を低下させる可能性があります。瞑想やヨガなどを通じて心身共にストレスを軽減することがメンタルヘルスの維持に役立ちます。
5.漢方と鍼灸:
現代は、女性が仕事でのキャリア形成を築くために晩婚の傾向があります。年齢が増すにつれて卵巣機能は徐々に低下し、それに伴い卵子の質も低下します。そこで漢方と鍼灸は、生殖機能を司る「腎」という臓腑の働きを助ける「補腎」という方法を用い、加齢による機能低下をサポートします。
漢方や鍼灸といった伝統医学は、歴史や文化の積み重ねによって形成されていますが、常に最新の研究が行われており、最近では西洋医学の不妊治療を受けながら、漢方薬局で漢方相談や鍼治療を行う方も増えてきています。
漢方薬は複数の生薬を組み合わせたものであり、個々の体質に合わせて処方されるため、自己判断で漢方を服用するのではなく、専門家に相談することをおすすめします。
世珍堂の中医学アドバイザーは、漢方や鍼灸の知識だけでなく、西洋医学の知識も有する中医学の専門家です。安心してご相談ください。
卵子の質の低下は不妊症の主要な原因の一つですが、健康的な生活習慣、栄養補給、医療機関での治療や漢方と鍼灸を通じて卵子の質を改善することが可能です。
子宝を希望される女性自身が自分の健康に関心をもち、元気な赤ちゃんを授かるために身体によいことを日々行うことが大切だと考えます。