カゼには葛根湯”というイメージをお持ちの方も多いですが、実際はカゼに使う漢方処方だけでも20種類以上あり、症状と体質に合わせて服用する必要があります。
自己判断で合わない漢方薬を服用してしまうと、症状が悪化したり、別の症状が新しく出たりすることもありますので、購入の際は漢方の専門家に相談するようにしてください。
葛根湯は、表証(ヒョウショウ)に用いるのが正解です。表証とは、悪寒・発熱などのある状態のこと。「なんだかゾクゾクとして、カゼを引きそうだな…」と思うようなときのことです。
カゼが長引いているときや、胃腸症状もあるようなときは、葛根湯以外の処方を選びます。
カゼをひいて咳が長引く場合には、麻杏甘石湯(マキョウカンセキトウ)、麦門冬湯(バクモンドウトウ)、参蘇飲(ジンソイン)などが使われます。体力の程度と、身体の水分量、痰の有無などを参考に処方を選びします。
● 鼻水・鼻づまり…鼻水の状態と、身体の寒熱が判断材料になります。状態に合わせて小青竜湯(ショウセイリュウトウ)、荊芥連翹湯(ケイガイレンギョウトウ)などの処方を用います。
● 喉の痛みや違和感のあるとき…不要な炎症をとる”清熱”作用のある漢方薬を選びます。銀翹散(ギンギョウサン)や駆風解毒散(クフウゲドクサン)などがあります。
● 軟便・下痢のとき…胃腸の消化・吸収の働き(≒脾)を整える漢方薬を選びます。参苓白朮散(ジンリョウビャクジュツサン)などがあります。
カゼの場合、「悪寒・鼻水・だるさ」など、複数の症状が出ていることが多いです。
1種類の漢方薬でそれらの症状をカバーできることもありますが、通常は2~3種類の漢方薬を組み合わせ、分量を調整することで、症状と体質に合った漢方薬を用意します。