東洋医学で高血圧症は、「肝」と「腎」、2つの臓器の不調によって起こると考えられます。
●「肝」とは…肝臓や自律神経の働きのこと。元気や血液を全身にめぐらせます。
●「腎」とは…身体の生命力やホルモンバランスをコントロールする働きのこと。
この二つのバランスが乱れることで、血圧が高くなります。
※「大切なこと」を意味する言葉に「肝腎要(かんじんかなめ)」という言葉がありますが、これも東洋医学の「肝と腎」に由来している言葉。
肝腎のバランスが崩れると高血圧など様々な不調がでます。どちらも体調を考えるうえでとても大切な臓器です。
①肝火上炎(カンカジョウエン)型
…長期間にわたる、精神的緊張やストレスにより、身体のバランスが崩れて起こります
西洋医学でも、急激に怒ったりストレスがかかったりすると血圧が上がることがわかっています
②痰濁(タンダク)型
…食生活の偏りや、過度の飲酒などにより、身体の中に痰濁(病理産物)が蓄積することによるもの
研究でも、偏った食事や飲酒により動脈硬化の危険性が増すことが知られています
③陰虚陽亢(インキョヨウコウ)型
…加齢や生活の不摂生により、身体を養っている陰分(潤い)が不足し、体内が」熱化して起こるもの
WHOのガイドラインでは、血圧は140-90mmHg未満が正常値とされています。
全日本鍼灸学会では、鍼灸治療による軽度高血圧症において鍼灸治療が有効に作用するとの発表をしています。血圧の調整に鍼灸治療が作用する機序として、現在わかっているものとしては、交感神経活動の抑制、末梢血管抵抗の低下があげられます。
他の症状のための鍼灸治療をするだけでも、血圧は正常になっていきますが、
上記のようなタイプに合わせて、ストレスによるイライラを抑えたり、身体の滞りを取り除き、巡りをよくする漢方薬と鍼灸治療を組み合わせることで、効果的に身体を整えていきます。
西洋医学で低血圧は、体質的なものであり病的な意義は少ないと考えられ、高血圧症のように明確な数値は定義されていません。
しかし、息切れ、身体のだるさ、億劫さ、それに伴うめまいや精神的疲労、無力感を感じる低血圧。症状を感じている本人からしたらとてもツラいものです。
東洋医学では、身体のエネルギーや血の不足がそれらの症状を引き起こしていると考え、明確な治療方法が存在します。
具体的には、
①身体を作る根本である消化吸収能力を高める
②エネルギーや栄養を巡らす
ことを主にしていきます。
体質を改善することで、健康ではつらつとした生活を取り戻すことができます。
低血圧の症状が続いている方は、一度ご相談にいらしてください。