甲状腺ホルモンは全身の新陳代謝や、臓腑の働きと関係の深いホルモンです。このホルモンが様々な理由により、過剰になるのが亢進症(バセドウ病)、不足するのが低下症(橋本病・粘液水腫)です。
バセドウ病は、代謝の異常亢進によって起こります。
バセドウ病の症状で良く知られているのは、甲状腺腫・眼球突出・頻脈の3つですが、他にも、多汗・のぼせ・手指のふるえ・動悸・イライラなどの症状が現れることがあります。
代謝の異常な低下によって、寒がり・疲れやすさ・顔や舌の浮腫・体重増加・無汗・脱毛・便秘・意欲の低下・記憶力の低下などの症状が起こります。
東洋医学では、甲状腺による疾患を、癭病(えいびょう ※癭=こぶの意味)と呼びます。
亢進症・低下症いずれも、ストレスや過度の抑うつ状態、生活環境や、体質により、気血の流れが滞ることで起こります。
●亢進症
亢進症の場合は、次のような状態であることが多いです。
・気の停滞(≒自律神経の乱れ)
・瘀血(≒血行不良)
・水分不足による身体の熱化
・身体の温める力が過剰になっている
→身体の保水力を高めて熱を冷ましたり、気の巡りを良くする治療が必要になります。
●低下症
低下症も、亢進症と同じような原因で起こりますすが、こちらは逆に気血の流れが滞って渋滞を起こすことで、身体全体にエネルギーや血行が行き届かなくなっている状態であると言えます。
→気・血を補いながら、全身に巡らせていく治療が必要になります。
甲状腺疾患による症状を和らげるうえで、まず重要なことは生活環境を整えることです。
規則正しい生活や禁煙などは、他でもよく言われていることですが、体質を整えていいくうえで重要です。
しかし、甲状腺の症状に関しては、生活の工夫だけではどうにもならないことも多くあります。
そんなときは、東洋医学(漢方・鍼灸)をご検討ください。
気・血・水のバランスを整え、巡りをよくすることによって、身体に負担をかけずに症状の緩和が期待できます。お気軽にご相談ください。