冬季うつとは、文字通り冬の間に現れる抑うつ的症状のことです。季節性気分障害または季節性感情障害とも呼ばれます。
具体的な症状は、身体のだるさ、疲れやすさ、気分の落ち込み、気力の低下、過眠・過食(体重増加・甘いものが欲しくなる傾向)などで、冬以外の季節は症状が殆ど見られないのが特徴です。
冬季うつの原因は、日照時間の短さに関係すると言われています。光の刺激が減ることで、神経伝達物質であるセロトニンが減少し、それにより脳の活動が低下すると考えられています。ただし、まだ完全に解明に至ってはいません。
東洋医学の考え方で、冬季は”陰”に属します。
陰とは、内向的・下降的・寒い・静・抑制的といった物事の特徴を指す概念です。
反対に陽は、外向的・上昇的・温かい・動・興奮的などの物事の特徴を指す概念です。
身体においては、陰陽両方の要素が必要で、両者のバランスが保てなければ、様々な不調が起こります。
※陰陽の概念についてはこちら
冬季うつの症状が出ているとき、身体は”陽”の温める働きが不足しています。その結果、相対的に”陰”の要素が強くなり不調が出ます。
冬季うつに漢方や鍼灸は有効です。どちらの場合も、身体の温める働き(陽)を助け、自律神経(≒気の巡り)を整えることをしていきます。
漢方の代表的な処方には、八味地黄丸、柴胡桂枝湯、逍遥散などがあります。
鍼灸の場合は、症状と体質に合わせて治療方針を立てます。
冬季うつに当てはまるかわからない場合でも、見立てに従って治療をしていくことができます。不快な症状の続いている方は、一度ご相談ください。